Discography

うたの絵本

うたの絵本

  • 2018年9月15日 On Sale
  • 2,800円(税別)
  • ◆うたの絵本
  • Japanisches Liederbuch
  • Akira KODAMA,Bariton
  • Koji MARUYAMA,Piano
  • Shizuka WAKABAYASHI,Painter

美しいCDができました。
今回のCDのタイトルは『うたの絵本』。CDジャケットは日本画家の若林静香さんによる詩画集の形になっています。

若林さんにはできたてほやほやの音源をお渡しし、詩と音楽の両方からイメージしていていただきました。 ページをめくる度に詩の世界に引き込まれる、とても美しい絵本となっています。

ピアニストはファーストアルバム『詩人の恋』と同じく丸山耕路氏。
丸山氏の空気感溢れる柔軟なピアノは詩と音楽の世界を美しく表現されています。

お申し込みはメールまたはフォームにて、
郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号、
CD名【うたの絵本】または【詩人の恋】
それぞれのご購入枚数をお知らせください。

【うたの絵本】【詩人の恋】の両方ご購入の場合は
セット割引《2800円×2=5600円のところ 5000円》となります。


liederkranz@zeus.eonet.ne.jp

CDのご購入はアマゾンの他、各レッスン会場等での受渡も可能です。【詩人の恋】とのセット販売をご希望の場合は、アマゾンではなくメールでお問い合わせください。

アマゾンWEBサイトへ(別ウィンドウが開きます)

収録曲

    うたの絵本
  • 1. うぐいす 武鹿悦子:詩/木下牧子:曲
  • 2. ほんとにきれい C.ロセッティ:詩/木下牧子:曲
  • 3. 夕顔 金子みすゞ:詩/木下牧子:曲
  • 4. 月の角笛 新美南吉:詩/木下牧子:曲
  • 5. 誰かが小さなベルをおす やなせたかし:詩/木下牧子:曲
  • 6. 雪の街 やなせたかし:詩/木下牧子:曲
  • 7. さびしいカシの木 やなせたかし:詩/木下牧子:曲
  • 8. 日々草 星野富弘:詩/加羽沢美濃:曲
  • 9. ちいさな空 武満徹:詩・曲
  • 10. 初恋 石川啄木:詩/越谷達之助:曲
  • 11. 六騎 北原白秋:詩/山田耕作:曲
  • 12. くちなし 高野喜久雄:詩/高田三郎:曲
  • 13. 落葉松 野上彰:詩/小林秀雄:曲
  • 14. 手まり 良寛:詩/千原英喜:曲
  • 15. 君や忘る道 良寛:詩/千原英喜:曲
  • 16. 雨ニモマケズ 宮沢賢治:詩/千原英喜:曲
  • 17. 宮沢賢治の最後の手紙 宮沢賢治:詩/千原英喜:曲

いよいよ「ひとりの歌い手が歌い語る名詩集」を実際に聴く瞬間が、あなたに迫ってきた。何も予備知識はいらない。もちろん先入感も燃えない不用品の日に出しておこう。

心が普段の自分色で特に心配事もない日を選んで聴いてみよう。まず言葉の美しさに惹かれるはず。「歌手のCDに寄稿して、声も節回しも褒めないで、いきなり言葉をほめる馬鹿があるか」と叱られそうだが、それがこのCDの個性でもあるのだからお許し願おう。

このCDを適切な機材と音量で再生して、もし一語でも発声不明瞭で聴き取れない、なんてことがあれば、それは聴く人の語彙に問題があるに相違ない。つまり単語自体を知らなかったと。こんなに激しいことを書いても私は少しも案じない。清潔な日本語の、けれど綺麗ごとでは済まさない「歌唱意思」が、すべての誤解やいさかいを説き伏せる力になる。

ここに集まった歌たちは、理想の宣教師を得て音楽の世界に布教されてゆく新たな「祈り」だ。読みは深く心に高く、歩みは一途だ。

敢えて言おう。声楽家による日本歌曲の成果として比類なき至高の境地に達した名作。しかし内緒にしたい。

心の奥で独り占めしたくなる音の詩集だ。


響 敏也(作家・音楽評論家)

Dichterliebe

Dichterliebe

  • 2014年5月30日
  • 2,800円(税別)
  • ◆リーダークライシス 作品24
  • ハインリヒ・ハイネ
  • ◆詩人の恋 作品48
  • ハインリヒ・ハイネ

甘くせつなく、アイロニーを帯びたハイネとシューマンの世界。
才能溢れるピアニスト、丸山耕路氏とのDuoでお届け致します。

CDのご購入はアマゾンの他、各レッスン会場等での受渡も可能です。

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収録曲

    Liederkreis op.24
  • Ⅰ. Morgens steh'ich auf und frage
  • Ⅱ. Es treibt mich hin
  • Ⅲ. Ich wandelte unter den Bäumen
  • Ⅳ. Lieb' Liebchen leg's Händchen
  • Ⅴ. Schöne Wiege meiner Leiden
  • Ⅵ. Warte, warte, wilder Schiffmann
  • Ⅶ. Berg' und Burgen schau'n herunter
  • Ⅷ. Anfangs wollt' ich fast verzagen
  • Ⅸ. Mit Myrten und Rosen
    Dichterliebe op.48
  • Ⅰ. Im wunderschönen Monat Mai
  • Ⅱ. Aus meinen Tränen sprießen
  • Ⅲ. Die Rose, die Lilie,die Taube,die Sonne
  • Ⅳ. Wenn ich in deine Augen seh'
  • Ⅴ. Ich will meinen Seele tauchen
  • Ⅵ. Im Rhein, im heiligen Strome
  • Ⅶ. Ich grolle nicht
  • Ⅷ. Und wüßten's die Blumen
  • Ⅸ. Das ist ein Flöten und Geigen
  • Ⅹ. Hör'ich das Liedchen klingen
  • ⅩⅠ. Ein jüngling liebt ein Mädchen
  • ⅩⅡ. Am leuchtenden Sommermorgen
  • ⅩⅢ. Ich hab' im Traume geweinet
  • ⅩⅣ. Aus alten Märchen winkt es
  • ⅩⅥ. Die alten,bösen Lieder

【liner notesより一部抜粋】

「うた」には、言葉が言い足りなかったことも無言のうちに含まれる。日頃は照れて言葉にしないことも歌には生きている。だから歌は決して、声自慢のための道具でもなければ、節回しを聞こえよがしに振り回すための材料でもない。

そうした「うた」の本質に関わることを、決して眉間にしわを寄せずに、美しく清々しく実現した「至高」の時間がたっぷり封じ込めてある。あなたがCDの再生を開始したとたん、それらの「うた」の精たちは、銀色の板から解放され悦ばしげに飛行する。一直線に聞き手の胸に飛び込んでくる。

ここで小玉晃さんは、歌手の試金石のような名作群に、真正面から対峙している。言葉をいかに清潔に一直線に飛行させるか、言葉の意味を変色させることなく、どれだけ透明に届けるか、それが痛いほどに聴き手に迫る。

ここでは浪漫も青春も恋の憧れも苦悩も、歌として生まれた瞬間の「ときめき」を抱き続けている。言葉の弾む力を覇気と共に表現し、うつむき加減の心を感傷に濡れることなく深々と描き出す。ここに歌の命が結晶する。

シューマン作品に特徴的なピアノの雄弁な書法が見事に活かされた演奏も、清澄な録音も、本作品の鮮やかな成果だ。

たぶん、このCD完成をいちばん歓んでいるのは、原作の詩人と、浪漫の化身のような一人の作曲家と、「うた」たちなのだ。
響 敏也(作家・音楽評論家)